こんにちは、マエストロの修理作業担当の高橋です。
「こんなことやってますよ、できますよ。」みたいなことを色々と書いていこうかと思います。
今回はタイトルにもありますがノーマルシャフトの先角交換について書きたいと思います。
先角交換は一見簡単そうにみえて難しい作業の一つです、
色々とノウハウがないと音なりや外れたりのトラブルがおこります。
現在ついている先角が傷がついてしまったり、割れたりで交換する際には先角を削り取る訳ですが
通常の方法ですと、ほとんどの場合ねじ山がなくなってしまい、新しい先角は接着剤のみで固定するということになります。
もとから接着剤のみで先角を固定しているキューもありますが、僕は以前からこの方法には疑問を感じていました。
経年変化でどうしても先角とシャフトの境目に隙間ができてしまい、黒い筋というか汚れが入ってしまい耐久性もよくありません。
そこで手間がかかるのですが、先角交換時のねじ山がなくならない交換方法があります。以前
、裏メニューとしてご紹介して、ご希望のお客様に提供させてもらっていたのですが、オーダー率がほぼ100%なので、これを標準装備にしたらどうだろう!?ということで、すべての先角交換時にやらせていただく事に決定しました。
ただし、こちらの作業は先角付近の構造によってできないものもございます。基本的にはノーマルシャフトのみでの対応とお考え下さいませ。
この作業をすることにより先角の安心感、見た目、すべてにおいて1ランク上のものとなります。
是非当店の先角交換をお試しください。
↑加工前
↑加工後
違いがわかりますか?
わかるに決まってます(笑)
先角素材の新となる部分にネジ山をつけ、先角素材の内側にもネジ山をきることで、シャフト本体と、先角素材の接着範囲が大幅に大きくなり、より強力な接着が可能になるんです
ということで、一番こわれやすい先角だからこそ、より壊れづらい構造にするひと手間を加えることで、より長くトラブルなく使っていただけるのではないかと思います!!
ねじ山も通常のネジ山ではなく台形ネジにしています。
先角をねじ山に入れていく段階からほとんどがたつきがありません。
この感じは作業した人にしかわからないだろうな〜・・・。
とにかく通常の先角交換とは全くちがいますので是非!!
(注1)シャフトによっては作業できないものもあります。
先角近辺が中空になっているものなどは純正と同様の構造となり、こちらの作業はできませんのであらかじめご了承くださいませ。
(注2)先角交換時に全くシャフトを削らず作業するということはできません。
使用しているシャフトは偏心といってほとんどの場合楕円になってしまっています。
先角は旋盤で削りだしますのでほぼ真円です。
楕円と真円では奇麗にあわせる事ができません。
なるべくシャフトを削らずに作業するよう心がけていますが、全くシャフトを削りたくない方は当店では作業できませんのでご注意ください。
というか全くシャフトを削らず作業できるところがあったら是非教えてください。(^^)
長くなりましたが、そろそろこの辺で。
長文おつきあいいただきありがとうございました。